インフォメーション

2014年8月28日~30日
殺虫剤含有長期残効型蚊帳の配布を開始しました

場所 Pabna District, Chatomohor Upazila, Chhaikhola Union
活動者 三條場千寿(東京大学・大学院農学生命科学研究科)、東城文柄(東京大学医学部付属病院)、横井健二(JICA業務調整員)
概要 殺虫剤含有長期残効型蚊帳の配布を開始するための現地フィールドスタッフの選定およびフィールドワークのトレーニングを実施しました。また殺虫剤含有長期残効型蚊帳の配布スタートのための授与式と、その際蚊帳の意義や使用上の注意等の簡易講習会を地元住民に対して行いました。
地元住民に対する殺虫剤含有長期残効型蚊帳の授与式に日本から駆け付けた短期派遣専門家 住友化学より無償供与頂いた殺虫剤含有長期残効型蚊帳(オリセット)約3,000張
地元住民に対する殺虫剤含有長期残効型蚊帳の授与式に日本から駆け付けた短期派遣専門家 住友化学より無償供与頂いた殺虫剤含有長期残効型蚊帳(オリセット)約3,000張
オリセットに関する詳細:http://www.sumitomo-chem.co.jp/csr/olysetnet/

2013年度に住友化学から供与頂いた殺虫剤含有長期残効型蚊帳(オリセット)約3,000張の配布を、約1年間の調査準備期間を経て、8月30日よりPabna District, Chhaikhola Unionにおいて開始しました。Chhaikhola UnionはPabna Districtにおいて最もカラ・アザール患者の発生率が高く、このオリセットの配布によって、サシチョウバエによる媒介を阻止することによるカラ・アザールのコントロールが可能かどうか、プロジェクトの残りの期間を使ってモニタリングしていくことが、このスタディの目的です。

そこで蚊帳をただ配るだけではなく、第一に前回行ったような疫学的調査を一定期間後再度実施すること、第二に配布対象となる世帯への質的調査が必要となってきます。質的調査は具体的には、配布時には世帯の基礎情報とこれまでの蚊帳の使用状況(これによって実態に応じた適切な配布数が決定される)に始まり、居住環境(建材や家畜の有無を含む)、カラ・アザールとその対策(治療・予防)に関するKAP(Knowledge・Attitude・Practice)などに関する実態把握があり、配布完了後も半年毎の蚊帳の使用状況等に関するフォローアップ調査があります。

質的調査のために紙の質問票に替わって活躍するタブレット端末等の機器類
質的調査のために紙の質問票に替わって活躍するタブレット端末等の機器類
電子質問票とオンラインストレージへのデータ自動同期などの機能を使うことで質的調査の省力化を達成
電子質問票とオンラインストレージへのデータ自動同期などの機能を使うことで質的調査の省力化を達成

言うまでもなく、これらは非常に大きな労力と時間を要する作業です。特に各種質問票の収集と集計に要するそれは、極めて膨大なものとなります。そこで本プロジェクトでは、以前の調査でも用いてきたタブレット端末を使った電子質問票のシステムにネット経由のデータ同期を組み合わせて、フィールドワーカーによる質問票への入力から管理者の手元に質問票の集計結果が届くまでのプロセスを自動化しました。8月31日よりこの質問票調査はスタート、今後約1か月半から2か月をかけて配布対象となっている地域の情報を収集し、これが終了次第蚊帳の配布作業の実施に移る予定になっています。

タブレット端末やGPS受信機の使用法をフィールドワーカーに指導する専門家 タブレット上の電子質問票への入力は、熟練してくると紙の質問票へのそれよりもスムーズである
タブレット端末やGPS受信機の使用法をフィールドワーカーに指導する専門家 タブレット上の電子質問票への入力は、熟練してくると紙の質問票へのそれよりもスムーズである
質問票への入力結果は、ネットに接続されたPCおよびスマートフォン・タブレット上で常時確認可能
質問票への入力結果は、ネットに接続されたPCおよびスマートフォン・タブレット上で常時確認可能

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